「登録日本語教員」は、日本語を母語としない人に日本語を教えるための国家資格です。
2024年からスタートする新しい資格になります。
この記事では、「登録日本語教員」に関する最新の情報を含めて次の内容をお届けします。
この記事を読むと分る内容は
次のとおり
- 国家資格になった背景
- 40代・50代におすすめする理由
- どのような仕事か
- 収入
- 主な仕事先
- 「登録日本語教員」になるためには
- 試験概要
- 問い合わせ先
日本語教員が国家資格になった背景
何でこの資格ができたのかな?
日本語教育の質を
確保するためだよ
これまで日本語を教えるのに
資格は必要なかったけれど、
国が認定した学校で働くなら
必要になるんだ
続きは
こちらを読んでね
日本語教員を40代・50代におすすめする理由 3つ
1.現在の日本語教師の約半数は40代と50代
2.売り手市場で「年齢の壁」も緩和される
3.外国人労働者の増加とともに日本語教師の需要が高まる
詳しくはこちら
「登録日本語教員」とは、どのような仕事か
登録日本語教員は次のような仕事を担当します。
1.日本語の授業を行う
登録日本語教員は、日本語を母語としない外国人を対象に日本語を教えます。
日本語を勉強する外国人は、
・日本で就職を目指す人
・日常会話をマスターしたい人
・アニメやファッションなど日本の理解を深めたい人
など様々です。
日本語教師は、生徒の目的やレベルに応じて授業内容を調整し、教壇に立ちます。
2.学習教材を開発する
生徒のレベルや目的に対応した教材を作成します。
作成する教材は、教科書やプリント、音声教材などがあります。
3.生徒の個別指導
勉強の理解度や進み具合に応じて、生徒1人1人を指導するのも仕事です。
あわせて生徒の日常生活での悩みや相談に応じる場合もあります。
4.日本を紹介する
日本語だけでなく、日本の歴史や文化、習慣を伝えます。
伝統文化だけでなく、マンガやアニメ、サブカルチャーなど最新の文化も紹介します。
登録日本語教員の収入
年収200万円~300万円程度
(勤務先、雇用形態によって変わってきます)
主な仕事先
・認定日本語教育機関
なお以下の機関では、「登録日本語教員」の資格がなくても日本語教師の仕事は可能です。
・国内や海外の認定を受けていない日本語学校
・オンラインでの日本語学校
・企業内の外国人に日本語を教える
・個人レッスンや私塾
国家資格を持っていれば、
認定機関以外での
就労や給与などの条件面でも
有利になるよね
「登録日本語教員」になるためには
登録日本語教員になるためには、
1.試験ルート
2.養成機関ルート
の2つのルートがあります。
それぞれのルートの資格取得までの流れは次のとおりです。
1.試験ルート
試験ルートは、日本語教員を養成する機関を経ずに資格を取るルートです。
2種類の試験に合格し、文部科学省に登録された実践研修機関での研修修了を経て資格を手にします。
試験ルートの流れ
「日本語教員試験」基礎試験に合格
⇓
「日本語教員試験」応用試験に合格
⇓
登録実践研修機関で実践研修を修了
2.養成機関ルート
養成機関ルートは、認定を受けた登録機関での教育を受けて資格を取る方法です。
登録機関ルートの流れ
登録日本語教員養成機関での養成課程を修了
⇓
「日本語教員試験」応用試験に合格(基礎試験は免除)
⇓
登録実践研修機関で実践研修を修了
実践研修について
いずれのルートでも応用試験合格後にうける
登録実践研修機関の詳細は
今年の11月に決まる予定だよ
なお、この記事では2つのルートのうち、学歴が不要な「試験ルート」を解説します。
「養成機関ルート」について知りたい方は、以下のリンク先を参照してください。
登録日本語教員 試験ルートの概要
受験資格
年齢、学歴等の制限は一切なし
資格の更新
なし
試験日
2024年(令和6年)11月17日(日)
試験時間
基礎試験 10:00から12:00
(2時間)
応用試験Ⅰ(聴解) 13:20から14:10
(50分)
応用試験Ⅱ(読解) 14:50から16:00
(100分)
受験会場
北海道から沖縄まで全国8か所
試験会場の詳しい情報は
こちら
受験までの流れ
オンライン出願期間
2024年(令和6年)8月1日(木)から9月6日(金)
詳細については今後発表する予定
受験票発行
2024年(令和6年)10月31日(木)
試験日
2024年(令和6年)11月17日(日)
試験結果通知
2024年(令和6年)12月20日(金)(予定)
受験手数料
18,900円
(受験料には合格証書発行手数料を含む)
試験形式
基礎試験 100問 選択式
応用試験Ⅰ(聴解) 50問 選択式
応用試験Ⅱ(読解) 60問 選択式
試験分野
基礎試験・応用試験の具体的な試験分野は以下のとおりです。
基礎試験
基礎試験は、日本語教育を行うために必要な基礎的な知識及び技能について判定します。
具体的な試験分野は
こちらを見てね
応用試験
応用試験の出題割合は公表されていません。
基礎試験の区分を横断する問題を出題し、知識及び技能を活用し現場での対応や問題解決能力を測定するためです。
過去問
今年が初めての試験のため、過去問はありません。
ですが、日本語教員試験の課題改善などを目的として昨年実施した「日本語教員試験試行試験」の問題がサンプルとして公表されています。
「令和6年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題」の12ページ以降を参照してください。
合格基準
基礎試験の合格基準
基礎試験の5区分において
・各区分で6割の得点があり
かつ
・総合得点で8割の得点がある
基礎試験の内容については
こちらを参照して
応用試験の合格基準
総合得点で6割の得点がある
参考 日本語教員試験試行試験の結果
日本語教員試験の課題の改善や試験問題の開発などを目的として、「日本語教員試験試行試験」が昨年実施されました。
試行試験の点数が、試験の難易度の目安となるのではないでしょうか。
試行試験の結果は以下のとおりです。
試験区分 | 平均点 | 最高点 | 最低点 | |
全 体 | 基礎試験 (100 点) | 66.97 | 95 | 29 |
応用試験 (220 点) | 148.74 | 206 | 62 |
参考:「日本語教員試験試行試験 結果の概要」
問い合わせ先
株式会社ティーケーピー
レカム BPO 株式会社
(文部科学省から試験実施の委託を受けた会社)
TEL:050-5433-7942(令和 6 年 8 月 1 日(木)10:00 から開通)
受付時間:平日の9:00~17:00
メールアドレス:nihongo-shikenjimukyoku@tkp.jp
最後に
「登録日本語教員」の他にも
40代におすすめの資格があるよ
資格の選び方も含めて紹介しているので
下の記事も読んでみて
詳細の説明
日本語教員が国家資格になった背景
外国人労働者の増加などの理由から日本語教育のニーズは拡大し続けています。
一方で、日本語教育の質のばらつきが問題となってきました。
こうした背景から文部科学省は、日本語教育機関と教師の質を担保する制度を創設。
制度では、一定の要件を満たした
教育機関を文部科学大臣が
「認定日本語教育機関」と
認定するんだよ
これまで日本語を教えるのに公的な資格は不要でした。
しかし、「認定日本語教育機関」で教師として働くためには「登録日本語教師」の資格が必要になります。
これまで以上に質の高い
日本語教育を
受けられそうだね
登録日本語教員 40代・50代におすすめする理由 3つ
1.日本語教師の約半数は40代と50代
現職の日本語教師の数は、世代別の割合で50代が1位、40代が2位を占めます。
50代 24.7%
40代 24.1%
40代と50代が日本語教師の約半数を占めているんだね
2.売り手市場で「年齢の壁」も緩和される
登録日本語教師の取得者に対するニーズは高い状況が続きます。
始まったばかりの資格で取得者の数は足りませんので、完全な売り手市場です。
就労や転職の際に40代・50代が直面する「年齢の壁」を経験するケースも少ないでしょう。
また資格取得者は、待遇面でも好条件が期待されます。
年齢のハンディキャップはなさそうだね
3.外国人労働者の増加とともに日本語教育の需要が高まる
日本国内の外国人労働者の数は増加する一方です。
増加の背景には2019年4月、人手不足が深刻な業種に外国人の雇用を解禁した点があります。
厚生労働省の調査では、
・令和5年の外国人労働者は約204万人
・前年比で約22万5,000人増加
・届出が義務付けられた平成19年以降過去最高となりました。
参考:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)
日本語教育は、日本で生活する
外国人にも不可欠だね
日本語教育は、来日したばかりの人だけにとどまりません。
外国人が日本で好条件の職に転職したりポストや給与を向上させたりするには、日本語能力の向上が不可欠です。
新規の外国人に加えて、既に日本で仕事する人にも日本語教育の需要はいっそう高まります。
外国人が日本で安定した生活を送る
ために日本語教員は
なくてはならない存在なんだね
登録日本語教員 基礎試験の試験分野
基礎試験では、日本語教育に必要な基礎的知識や技能を区分ごとに出題します。
具体的な試験分野は次のとおりです。
5つの区分 | 一般目標 | 必須の教育内容 | 出題割合 |
1.社会・文化・地域 | 世界と日本 | 世界と日本の社会と文化 | 約1~2割 |
異文化接触 | 日本の在留外国人施策 | ||
多文化共生 (地域社会における共生) | |||
日本語教育の歴史と現状 | 日本語教育史 | ||
言語政策 | |||
日本語の試験 | |||
世界と日本の日本語教育事情 | |||
2.言語と社会 | 言語と社会の関係 | 社会言語学 | 約1割 |
言語政策と「ことば」 | |||
言語使用と社会 | コミュニケーション ストラテジー | ||
待遇・敬意表現 | |||
言語・非言語行動 | |||
異文化コミュニケーション と社会 | 多文化・多言語主義 | ||
3.言語と心理 | 言語理解の過程 | 談話理解 | 約1割 |
言語学習 | |||
言語習得・発達 | 習得過程 (第一言語・第二言語) | ||
学習ストラテジー | |||
異文化理解と心理 | 異文化受容・適応 | ||
日本語の学習・教育の情意的側面 | |||
4.言語と教育 | 言語教育法・実習 | 日本語教師の資質・能力 | 約3~4割 |
日本語教育プログラムの理解 と実践 | |||
教室・言語環境の設定 | |||
コースデザイン | |||
教授法 | |||
教材分析・作成・開発 | |||
評価法 | |||
授業計画 | |||
中間言語分析 | |||
授業分析・自己点検能力 | |||
目的・対象別日本語教育法 | |||
異文化間教育と コミ ュニケーション教育 | 異文化間教育 | ||
異文化コミュニケーション | |||
コミュニケーション教育 | |||
言語教育と情報 | 日本語教育とICT | ||
著作権 | |||
5.言語 | 言語の構造一般 | 一般言語学 | 約3割 |
対照言語学 | |||
日本語の構造 | 日本語教育のための日本語分析 | ||
日本語教育のための音韻・音声体系 | |||
日本語教育のための文字と表記 | |||
日本語教育のための形態・語彙体系 | |||
日本語教育のための文法体系 | |||
日本語教育のための意味体系 | |||
日本語教育のための語用論的規範 | |||
コミュニケーション能力 | 受容・理解能力 | ||
言語運用能力 | |||
社会文化能力 | |||
対人関係能力 | |||
異文化調整能力 |
受験会場
全国8か所で実施します。
北海道
TKP 札幌カンファレンスセンター
北海道札幌市北区7条西2-9
東北
TKP ガーデンシティ PREMIUM 仙台西口
宮城県仙台市青葉区花京院 1-2-15
関東
駒澤大学(駒沢キャンパス)
東京都世田谷区駒沢 1-23-1
TOC 五反田
東京都品川区西五反田 7-22-17
TKP ガーデンシティ PREMIUM 品川高輪口
東京都港区高輪 4-10-18
TKP 新橋カンファレンスセンター
東京都千代田区内幸町 1-3-1
中部
名城大学(天白キャンパス)
愛知県名古屋市天白区塩釜口一丁目 501 番地
近畿
大阪公立大学(中百舌鳥キャンパス)
大阪府堺市中区学園町 1 番 1 号
中四国
TKP ガーデンシティ PREMIUM 広島駅前
広島県広島市南区大須賀町 13-9
九州
九州大学(伊都キャンパス)
福岡県福岡市西区元岡 744
沖縄
沖縄コンベンションセンター
沖縄県宜野湾市真志喜 4-3-1
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