ぼくは薬でアレルギーが出た経験があるから、薬を買う前にいつも相談するんだ
この前「登録販売者」という肩書の人に相談したけど、どんな人なの?
登録販売者は、薬局やドラッグストアで一般用医薬品を販売できる専門家だよ
第2類・第3類医薬品を扱えるんだ
薬剤師じゃないのに薬が売れるの?
第2類・第3類医薬品なら登録販売者でも売れるよ
日本で販売される一般医薬品のうち、第2類と第3類が約90%を占めているんだ
だから、登録販売者はクスリのほとんどを販売できるね
そんな専門職だったら資格を取るのは難しいんじゃない?
登録販売者になるための試験の合格率は、全国平均で約40〜50%なんだ
しっかり勉強すれば、十分合格できるよ
資格を取っても実務経験がない40代・50代だと、仕事につけないんじゃない?
そんなことはないよ
登録販売者の需要は増えているんだ
年齢制限がないから、40代・50代でもチャレンジできる資格なんだ
この記事では40代・50代の未経験者でもおすすめできる「登録販売者」についてお伝えします。
この記事を読むとわかる内容
- 登録販売者とは
- 40代・50代の未経験者でもおすすめできる理由
- 登録販売者になる方法
- 登録販売者の仕事先や仕事内容
- 登録販売者の収入や求人
- 登録販売者試験の内容
記事を読む前に
実務経験がない人がゼロから勉強すると必ずおちいる悩みがあります。
「はじめて見る用語の意味がわからない」
「点数がぜんぜん伸びない....」
「このまま勉強を続けていていいのか?」
こんな不安を抱えながら勉強しても、合格は遠ざかるばかりです。
実務経験のない人は、スタートから効率的に勉強できる登録販売者の試験講座を受けるのがおすすめですよ。
登録販売者とは
登録販売者とは、薬局やドラッグストアなどでかぜ薬などの第2類・第3類医薬品を販売できる資格を持った専門家です。
登録販売者について知っている方は次へ
登録販売者は一般医薬品のうち、第2類・第3類医薬品を販売できます。
日本で販売される一般医薬品のうち、第2類と第3類が約90%を占めますので薬局やドラッグストアで扱うクスリのほとんどを販売できるのです。
第2類医薬品と第3類医薬品ってなに?
第2類医薬品とは
飲み合わせや副作用などの注意が必要となり、まれに入院相当以上の健康被害を引き起こす成分を含む薬をいいます。
具体的には、一般的なかぜ薬や解熱鎮痛薬、漢方薬などです。
第3類医薬品とは
副作用のリスクが低いけれども体調不良を起こす成分を含む薬をいいます。
具体的にはビタミン剤や整腸剤、消火剤などだよ
参考:厚生労働省 一般用医薬品のリスク区分
40代の未経験者でも「登録販売者」がおすすめな理由
おすすめの理由
実務経験がない40代・50代にも登録販売者をおすすめできる理由は次の4つです。
おすすめする理由 その1
職場が増えている
全国各地で勤務先となるドラッグストアの新規出店が続いています。
1,000㎡以上の物販店舗を出店する際に提出する大規模小売店舗立地法の新設届出を確認すると、ドラッグストアの新規出店は2024年2月は32件、3月では20件と毎月全国で数十件のペースで増加中。
このほか、コンビニやスーパー、ホームセンター、ディスカウントストアでも第2類・第3類医薬品を扱う店舗が増えています。
おすすめする理由 その2
扱う薬の需要が伸びている
株式会社矢野経済研究所の調査によると2023年のOTC医薬品の出荷額は約8,400億円と見られ、2013年の6,370億円から約30%増加しました。
参考:株式会社矢野経済研究所 「2024年版 OTC市場の展望と戦略」
OTC医薬品ってなに?
OTC医薬品とは”Over The Counter”(カウンター越し)の略だよ
医師の処方せんなしで買える薬で、登録販売者が扱える薬なんだ
おすすめする理由 その3
年齢制限がない
登録販売者試験には年齢制限はありません。
40代や50代からも挑戦でき、長く活躍できる資格です。
なお、以前は必要だった「学歴」と「実務経験」は撤廃されました。
おすすめする理由 その4
登録販売者の平均年齢が41.9歳
厚生労働省の調査では令和5年登録販売者の平均年齢は41.9歳です。
同年代の仲間が全国で頑張っているんだね
参考:厚生労働省職業情報提供サイト「jobtag」 医薬品販売/登録販売者
登録販売者になるためには
登録販売者になるためには「登録販売者試験」に合格する必要があります。
ただ資格を取ってもすぐに自分ひとりで薬を販売できず、薬剤師や管理者要件を満たした登録販売の指導のもとで行います。
資格試験合格後は「登録販売者研修生」として実務経験を積む必要があり、この経験を「管理者要件」と言います。
管理者要件についてはこちら
管理者要件を満たすと正規の登録販売者と認められ、自分だけで薬の販売ができるようになります。
また正規の登録販売者は「店舗管理者」に就くことができます。
店舗管理者は医薬品を扱う店舗に必ずいなければならないので、転職や収入の面で有利になるのです。
主な仕事先と仕事内容
- ドラッグストア
- 調剤薬局
調剤薬局でも第2類・第3類医薬品を販売していますので、薬剤師と分担して患者対応にあたります。
また処方せんの受付や会計業務、医療費の明細であるレセプト入力などの事務作業も担当します。 - コンビニ
- スーパー、家電量販店、ホームセンター
- 製薬会社での営業職
登録販売者の収入
登録販売者の雇用形態ごとの収入は次のとおりです。
正社員の場合
厚生労働省の調査によると、平成5年の年収は361万円です。
参考:厚生労働省職業情報提供サイト「jobtag」 医薬品販売/登録販売者
パート・アルバイトの場合
1,100円から1,400円
ただし、仕事する地域や勤務状況によって変わります。
契約社員の場合
1,200円から1,500円
ただし、仕事する地域や勤務状況によって変わります。
登録販売者の求人状況
登録販売者の有効求人倍率 3.77倍
求人情報の検索はこちら
登録販売者試験の概要
受験資格
・年齢・学歴などの制限は一切なし
試験の回数・試験日
・年1回
例年8月から12月にかけて実施されます。
試験は都道府県単位で行います。
「登録販売者試験 〇〇(ご自身が住む都道府県)」で検索し確認してください。
試験時間
試験時間は240分。
開始時間は地域によって異なりますが、試験は午前(120分)と午後(120分)に分かれます。
- 午前 120分
- 休憩 90分
- 午後 120分
どの試験分野を午前・午後に実施するかは、地域ごとに異なります。
受験前に自分が受ける地域の配分をチェックをしておこう!
受験までの流れ
試験の申込み方法は次のとおりです。
願書の入手
願書を手に入れる方法は次の3種類あります。
直接受け取る
登録販売者試験を管轄する各都道府県の部局や保健所で手に入れます。
場所によって受け取れる日や曜日が決まっていますので、確認してから出向きましょう。
郵送で受け取る
願書は郵送でも手に入れられます。
ただやりとりには時間を要しますので、ゆとりをもって臨みましょう。
郵送でのすすめ方は以下のとおりです。
郵送で願書を受け取る方法
①返信用封筒として角2号(横幅24cm,縦33.2cm)を用意する
②返信用封筒に自分充ての住所・名前を記入し、140円切手(願書が一部の場合)を貼る
③送付用封筒の表面に以下の事項を記入します
表面
・請求先の住所とあて名
・「登録販売者試験受験申請書請求(〇部希望)」と朱書きする
裏面
・自分の住所とあて名
④返信用封筒を送付用封筒の中に入れる
⑤重さに応じた切手を貼る
郵便料金を確認するにはこちら
インターネットからダウンロードする
各都道府県の登録販売者試験を管轄するセクションから、ホームページから願書をダウンロードできます。
必要書類をそろえる
願書を手に入れたら、必要事項を記入しましょう。
あわせて
- 写真の準備
- 受験料の納付
が必要になります。
なお、受験料の納付方法は都道府県によって異なります。
都道府県の収入証紙を願書に貼る、納入通知書により指定の金融機関の窓口で納付するなど自分が受験する地域の方法を確認しましょう。
願書を提出する
出願方法は郵送がほとんどですが、地域によっては窓口に直接提出できるところもあります。
願書が受理されれば、自宅に受験票が郵送されます。
受験料
登録販売者試験の受験料は、都道府県によって異なり、1万2,800円から1万8,200円程度です。
受験する都道府県のホームページで確認できます。
試験形式
マークシート方式
5つの選択肢から正解を選びます。
試験分野
5つの分野から合計120問が出題されます。
5つの分野
医薬品に共通する特性と基本的な知識 20問
医薬品の基本的な知識
購入者への適切な販売や助言を行うための知識を問う
- 医薬品概論
- 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
- 適切な医薬品選択と受診勧奨
- 薬害の歴史
人体の働きと医薬品 20問
身体の構造
薬が効く仕組みや副作用を理解して購入者の相談などに対応する知識を問う
- 人体の構造と働き
- 薬が働く仕組み
- 症状からみた主な副作用
主な医薬品とその作用 40問
一般医薬品の有効成分や効き目、副作用に関する知識を問う
- 精神神経に作用する薬
- 呼吸器官に作用する薬
- 胃腸に作用する薬
- 心臓などの器官や血液に作用する薬
- 排泄せつに関わる部位に作用する薬
- 婦人薬
- 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
- 鼻に用いる薬
- 眼科用薬
- 皮膚に用いる薬
- 歯や口中に用いる薬
- 禁煙補助剤
- 滋養強壮保健薬
- 漢方処方製剤・生薬製剤
- 公衆衛生用薬
- 一般用検査薬
薬事関係法規・制度 20問
薬に関わる法令の知識を問う
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の目的等
- 医薬品の分類・取扱い等
- 医薬品の販売業の許可
- 医薬品販売に関する法令遵守
医薬品の適正使用・安全対策 20問
医薬品の添付文書や副作用報告制度、副作用被害救済の制度に関する知識を問う
- 医薬品の適正使用情報
- 医薬品の安全対策
- 医薬品の副作用等による健康被害の救済
- 一般用医薬品に関する主な安全対策
- 医薬品の適正使用のための啓発活動
参考:厚生労働省 登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月)
合格率
全国平均で43.1%(令和5年度試験)
都道府県別や年度別の合格率はこちら
参考:厚生労働省 これまでの登録販売者試験実施状況等について
合格率が都道府県によって異なる 住んでいる地域以外での受験も検討する価値あり
隣接する都道府県の合格率を確認し、差があれば高い地域での受験も検討してみましょう。
令和5年度試験の都道府県別合格率を見ると地域によって差があります。
たとえば
- 埼玉県の合格率 45.3%
- 隣接する群馬県の合格率 55.2% 約10ポイント差
- 福井県の合格率 33.8%
- 隣接する石川県の合格率 43.5% 約10ポイント差
- 関西広域連合の合格率 33.4%
(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、徳島県) - 奈良県の合格率 54.2% 約20ポイント差
もちろんどこで合格しても、全国で働けるよ
合格ライン
おおむね
総得点の70%以上
かつ
各試験項目の正答率が35%あるいは40%以上の正解
(都道府県によって基準が異なります)
合格までの勉強時間
200時間から300時間
1日2時間勉強時間を確保すれば、3カ月から6カ月で合格できるよ
試験の難易度
★★(やや易しい)
管理者要件の詳細
管理者要件とは
登録販売者試験に合格しても管理者要件を満たしていなければ、自分だけで薬を販売できません。
登録販売者の管理者要件を満たす方法は次のとおりです。
業務経験1年で管理者要件を満たすためには
業務経験を1年以上積む
かつ
通算1920時間以上勤務する
+
継続的研修(外部研修)を受ける
+
追加的研修を受ける
業務経験2年で管理者要件を満たすためには
業務経験2年以上積む
かつ
通算1920時間以上勤務する
+
継続的研修(外部研修)を受ける
「1920時間」勤務するためにかかる期間
「1920時間」ってなかなか大変そうだな
普通に登録販売者の仕事をこないしていれば
そうでもないよ
1920時間に達するためには
毎日8時間勤務
✕
毎月20日勤務
8時間✕20日=160時間
✕
12カ月勤務
160時間✕12カ月=1920時間
正社員で働いていたり、長期間アルバイトで働いていれば
クリアできるね
継続的研修(外部研修)とは
登録販売者は、資格を取ったあとも継続的研修を受ける必要があります。
日々進化する医薬品の知識を深めるのが目的です。
継続的研修(外部研修)は、年2回(6月と10月)に合計12時間の研修を受講します。
受講したあと確認テストを受け、合格すれば研修は終了です。
継続的研修の内容
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識
- 人体の働きと医薬品
- 主な一般用医薬品とその作用
- 薬事に関する法規と制度
- 一般用医薬品の適正使用と安全対策
- リスク区分等の変更があった医薬品
- 店舗の管理及び区域の管理に関する事項
- その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等
参考:厚生労働省 「登録販売者に対する研修の実施要領」の一部改正について
https://www.mhlw.go.jp/content/001086833.pdf
追加的研修とは
「過去5年間のうち業務経験1年以上」で管理者要件を満たすためには、受講する必要があります。
じつは2023年3月までは業務経験2年以上でないと管理者要件を満たせませんでした。
ところが4月から制度が改正され、業務経験1年以上でも追加的研修をうければ要件を満たせるようになったのです。
追加的研修は、対面またはオンラインで行います。
追加的研修の内容
第1講座 120分
ガバナンス、法規、コンプライアンス等の基本的知識に関する講義
店舗管理者などにおいて求められるガバナンス、法令遵守の具体的内容と対応など
第2講座 120分
販売現場、店舗等の管理に即したコミュニケーションに関する演習
アクシデント・クレームへの対応や店舗マネジメントなどに関する演習
第3講座 120分
第1・第2講座を踏まえた店舗管理者等に求められる対応についてのケーススタディ
第1・第2講座を踏まえたレポート作成と受講者参加型の能動的学習
例 店舗などの管理
不適切な医薬品使用に対して管理者としてどのように対応するか
店舗販売業者等に意見申述が必要な事例
参考:厚生労働省 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行等について
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7566&dataType=1&pageNo=1
まとめ 登録販売者は実務経験なしの40代・50代におすすめ
登録販売者は、実務経験がない40代・50代にも魅力的な仕事
チャレンジする価値があるね
おすすめできる理由をまとめると次のとおり
実務経験がない40代・50代に「登録販売者」がおすすめできる理由
- 需要の高まり
ドラッグストアの新規出店やOTC医薬品市場の拡大により、職場が増加中。 - 年齢制限なし
資格取得に年齢制限がなく、40代・50代からでも挑戦可能。 - 比較的取得しやすい
全国平均で40~50%の合格率であり、しっかり勉強すれば合格できる。 - 幅広い活躍の場
ドラッグストア、薬局、コンビニ、スーパーなど、様々な場所で働ける。 - 安定した収入
正社員の場合、年収361万円程度が期待でき、パート・アルバイトでも時給1,100円〜1,400円程度。 - 高い求人倍率
有効求人倍率が3.77倍と、就職・転職のチャンスが多い。
登録販売者資格は、医薬品に関する専門知識を活かしながら、人々の健康をサポートできるやりがいのある仕事です。
未経験者からでも40代・50代からの新たなキャリアとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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